地域の元気のつくり方を提案し、希望ある地域の未来をみんなで描き出す (玄田有史主査) 地域に成長と希望の光を灯すには、いくつかの必要な要素があります。生活には、一定水準以上の経済力は欠かせません。豊かさには、食生活、自然、文化などの総合力が問われます。研究会では各地の経験や知恵などを参考に、困難を乗り越える方策など、地域の元気のつくり方を具体的に提案します。 11年には東日本大震災という試練が東北を襲いました。研究会でも被災地の行政の方を招き現状と復興への取り組みを伺いました。この厳しい試練を乗り越えていこうとする「撓まず屈せず」の精神に打たれるとともに、今回の試練を乗り越えるプロセスも含め、地域の再生には「地域アイデンティティを絶えず再構築してくこと」が欠かせないという思いを強くしています。 研究会は、二部形式で進めます。第一部はいくつかのグループに分かれ、ゼミのように参加者同士で、地域戦略、世代と雇用、企業と自治体など、一つのテーマを追求していきます。第二部ではゲスト講師を招き、問題提起をしていただいた上で、これから行動するための実践的なヒントをみんなで探していきます。また、自由参加ですが、研究会後の懇親会も大切にします。 キーワードは、地域の「アイデンティティ」です。アイデンティティとは、自分たちの強みや弱みを正しく知り、それを自分の言葉で伝えられた瞬間に、浮かびあがるものです。ある地域で聞きました。「再生には効率と同時にストーリーが大事。みんなのストーリーが一つになったとき、何かが動き始める。」 研究会では、地域の未来を諦めていない人々の参加に期待しています。行動する人々の叡智を結集し、希望ある地域のストーリーを、みんなで描き出しましょう。
▼主査▼ ◇玄田有史・東京大学社会科学研究所教授 「地域アイデンティティと希望」 1988年東京大学経済学部卒業。学習院大学教授などを経て、2007年から現職。著書に『仕事のなかの曖昧な不安』(2002年度日経・経済図書文化賞)『ジョブ・クリエイション』『人間に格はない』など。専門は労働経済学。日本における非正規雇用の存在とその構造的問題に関する実証分析を手がけ、ニート問題の第一人者として知られる。東京大学社会科学研究所のプロジェクトである希望学(希望の社会科学)のリーダーとしても活動、岩手県釜石市の地域調査に取り組んだ。 ▼副主査▼ ◇藻谷浩介・日本総合研究所調査部主席研究員 「地域活性化のためのディシプリン構築」 1988年東京大学法学部、94年コロンビアビジネススクール卒業。日本政策投資銀行地域振興グループ地域支援班参事役等を経て2012年から現職。「平成の市町村合併」前の、約3000市町村の99.9%、海外59カ国を概ね私費で訪問、地域特性を詳細に把握、地域振興の各分野で精力的に講演活動を行う。近著に『デフレの正体』。 ◇中村尚史・東京大学社会科学研究所教授 「地方に根ざす企業活動の意義と可能性」 1994年九州大学大学院博士課程修了、博士(文学、九州大学)。埼玉大学経済学部助教授などを経て、2010年から現職。著書に『日本鉄道業の形成』(1998年)、『地方からの産業革命』(近刊)など。専門は日本経済史・経営史。最近の研究テーマは日本鉄道企業史および地域経済活性化の史的研究。 ◇小野晶子・労働政策研究・研修機構副主任研究員 「高齢者と若者のリンクの強化」 2002年同志社大学大学院総合政策科学研究科博士後期課程単位取得退学。03年日本労働研究機構(現JILPT)に入所、10年から現職。 専門分野は、NPOの労働、非正規労働(パート、派遣労働)等、労働経済。神奈川県公益認定等審議会委員(08年〜)、厚生労働省地域貢献活動支援事業に係る選定・評価委員会委員(09年〜)。 ※赤字は2012年の研究テーマ △このページのトップへ