「経済百葉箱」は当センター経済予測班による分析リポートです。このうち「番外編」は、主に新年度から研修を開始した企業・団体からの派遣研究生が、「第一弾」としてまとめたリポートです。4月からの「基礎研修」で身に付けた経済の知識を生かし、グループで第162回短期経済予測よりも「好景気」「不景気」になる場合について様々な可能性を検討し、予測したものです。内容的には詰め切れていない部分もありますが、やや粗削りでも、当センターの経済予測を補完する意味で公表する次第です。研修制度ご紹介のページもぜひご覧下さい。 ■日経センターの研修制度ご紹介はこちら 2015年7月3日公表 2015年度研究生
▼要旨▼ 景気低迷シナリオでは、日本経済の実質国内総生産(GDP)成長率を、2015年度1.3%、16年度0.2%と予測する。当センター直近の四半期経済予測(SA162R)比で15年度は▲0.3ポイント(▲はマイナス)、16年度は▲1.1ポイント下振れる。低迷シナリオの起点は米国の金融政策だ。米連邦準備理事会(FRB)は15年9月に0.25%の利上げし、12月にも0.25%の2度目の利上げがあると予測する。その結果として米国経済は16年、成長が鈍化する。アジア・新興国も景気低迷へと陥る。16年度は日本株の下落、景況感悪化を受け、17年4月の消費税率の8%から10%への引き上げ凍結案が持ち上がり、財政健全化の道のりに不透明感が出る事態を想定する。外需低迷による貿易収支の悪化から経常赤字への転落懸念が市場に広まり、長期金利が上昇するだろう。16年度はゼロ成長近くになる。 要旨 スライド資料
▼要旨▼ 日本経済の実質国内総生産(GDP)成長率は、2015年度に2.1%(SA162R比0.5%ポイント上振れ)、16年度に2.0%(同0.7%ポイント上振れ)をそれぞれ予測、2年連続で2%成長となる。15年度は主に輸出、16年度は民間消費、設備投資などの内需項目がそれぞれ実質GDPの押し上げに寄与し、「外需好転→内需に好影響」の流れが鮮明になる。底堅い成長の持続により、「失われた20年」とも呼ばれる日本経済の長期低迷から脱出する契機となる可能性がある。 要旨 スライド資料