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読むゼミ

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バックナンバー(開催時期)

2012年1月〜6月開催のセミナー

日本の国債価格の安定はいつまで続くか
2012年6月28日(木)開催 (掲載日:7月6日)
日本経済研究センター
講師
星岳雄・カリフォルニア大学サンディエゴ校国際関係・環太平洋研究大学院教授
要旨
高まる債務危機のリスク―手遅れになる前に財政改革を
@日本政府の莫大な債務にもかかわらず、長期金利は低い。豊富な国内民間金融資産により国債が大量購入されている間に、必要な財政再建が行われるはずだという期待が国債価格を安定させている。ただし、このような状況は長続きしない。
A高齢化、少子化により、民間金融資産の伸びは鈍り始めている。財政改革が行われなければ、10年以内に政府債務が民間金融資産を上回り、債務危機のリスクが顕在化する。
B債務危機が起こると、金利上昇→景気後退→税収減→財政悪化の悪循環が発生する。国債価格の下落は金融危機も引き起こす。こうした危機の最中に市場に強制されて対応をとるのでは手遅れだ。そうなる前に財政改革を行う方が経済に与える打撃が少ないだろう。
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資料
セミナー資料
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アメリカ経済の期待と不安
2012年6月27日(水)開催 (掲載日:7月9日)
日本経済研究センター
講師
小野亮・みずほ総合研究所市場調査部シニアエコノミスト
要旨
金融危機の尾を引く米国経済―20の問いから構造問題を考える
@米国では金融危機から回復の動きが見られるが、抑制的な民間金融・信用活動の下で住宅のストック調整、家計のバランスシート調整、雇用回復の遅れという三つの構造問題が尾を引き、それらが引き続き負の連鎖を生み、内需を抑制している。
A内需が弱い中で米国経済は超金融緩和、赤字の垂れ流しによる財政政策、ドル安を背景とした輸出の倍増計画など、政策や外需に強く依存する構造が見られる。しかし、これらの景気押し上げにも限界がある。
B2013年初めに控える「財政の崖」(大幅な財政緊縮)や欧州債務問題の不透明感の高まりがダウンサイド・リスクとして懸念される。こうした状況で金融政策は2012年秋口にも長期国債購入などバランスシートの拡大に踏み切る公算がある。
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《SA150回記念シンポジウム》
景気回復は本物か―長期停滞・デフレ脱却の条件を探る
2012年6月20日(水)開催 (掲載日:7月4日)
日本経済研究センター
講師
嶋中雄二・三菱UFJモルガン・スタンレー証券参与 景気循環研究所長
深尾京司・一橋大学経済研究所教授
森田京平・バークレイズ証券チーフエコノミスト
司会)愛宕伸康・日本経済研究センター短期経済予測主査
要旨
デフレ脱却に民間貯蓄活用を―潜在成長力の引き上げが課題
@日本では民間貯蓄が超過のため、需要不足に悩んできた。貯蓄超過のために均衡利子率が低く、ひとたびデフレに陥るとゼロ金利の制約に直面する。デフレ脱却の処方箋としては、民間貯蓄をいかに使うかを考える必要があり、大企業の投資を国内に回帰させるような政策が重要だ。ただ、生産性の上昇を伴わない投資拡大は多額の不良債権を生む懸念がある。(深尾氏) A金融政策は安定的かつ持続的なデフレ脱却のための重要な必要条件だが十分条件ではない。日本は貯蓄余剰にありベースマネーが名目GDPに結びつく経路が細い。デフレ脱却には自然利子率の上昇が必要だが、それは多分に政府の役割だ。政府の政策が一役買う必要もある。(森田氏) B企業経営者の声を聞くとデフレの原因は円高との見方が多い。円高トレンドが続けば期待成長率が低下し、企業は海外に出ざるをえなくなる。日銀の金融緩和はまだ不十分で、円安を実現するためにマネタリーベースをさらに増やす必要がある。(嶋中氏)
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資料
嶋中氏資料
深尾氏資料
森田氏資料
愛宕短期経済予測主査
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2012年後半の為替相場の行方
2012年6月15日(金)開催(掲載日:7月20日)
日本経済研究センター大阪支所
講師
佐々木融・JPモルガン・チェース銀行東京支店債券為替調査部長
要旨
ドル安・円高はしばらく続く
@世界的な株価下落でリスク回避志向が強まると、円が他通貨に比べ高くなり、株価上昇でリスクテイク志向が強まると、逆に円が他通貨より安くなる傾向がある。
A当面はギリシャのユーロ離脱の可能性がないことなどを背景に、リスクテイク志向が一時的に強まり、ユーロ高・円安などの状況が続く可能性がある。
B日本の貿易収支の赤字幅拡大だけでは、円安にはならない。所得収支が大幅な黒字になっていることなどが理由だ。円売り要因となる円キャリートレードも活発化しそうにはない。
C日銀のバランスシートは、為替予測のツールにならなくなった。日銀が資産を膨らませても、金利がゼロの下では通貨には影響を与えない為替介入も当面は難しいと思われる。
Dドル安・円高の傾向は今後も続く。問題は円ではなくドルにある。米国が巨額の経常赤字を抱えているにもかかわらず、金利をゼロとしているためだ。
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セミナー資料
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世界経済の潮流2012 T
2012年6月13日(水)開催 (掲載日:7月2日)
日本経済研究センター
講師
嶋田裕光・内閣府参事官(海外担当)
要旨
欧州危機・中国減速に揺れる世界経済―弱い回復、下振れリスク残る
@欧州は政府債務危機の影響で需要が低迷、実体経済が下押しされている。堅調なドイツとは対照的に、南欧諸国の経済状況は依然厳しく、政局や金融機関の経営不安等により市場の懸念が高まっている。欧州中央銀行(ECB)の政策は一定の効果を上げたが、今後の出口戦略が課題として残る。
Aアジアについては景気拡大と回復のテンポが弱まり、ユーロ圏の需要低迷が足かせとなり輸出が鈍化している。輸出主導で成長するアジア諸国は、中国減速の影響も大きく受けており、その下振れリスクは残っている。
B米国は雇用者数の増加、消費の持ち直しで景気は緩やかに回復を続けており、世界経済の弱い回復を支えている。ただし、労働市場のミスマッチ是正や低中所得層のバランスシート改善が今後の成長の促進にとって重要である。

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“超競争”と日本企業のグローバル化
2012年6月13日(水)開催 (掲載日:6月27日)
日本経済研究センター
講師
梅澤高明・A.T. カーニー日本代表/グローバル取締役会メンバー
要旨
熾烈さ増すグローバル超競争―国際戦略モデルの構築が急務
@日本経済の世界におけるシェアは長期的に大きく低下し、経済の質にも大きな課題が残る。日本の製造業は技術で勝って事業で負けており、世界市場でのプレゼンスが低下しつつある。
A2000年代以降、顧客・サプライチェーン・資本市場の3つの側面で世界市場の統合が進み、「グローバル超競争」時代に突入している。世界規模で産業の集中化が進む中で、依然として日本企業は国内の消耗戦を繰り広げている。生き残りのため、長期的、世界的な視野に立った戦略策定が必要である。
B戦略策定の際には、どんなアプローチの国際化を進めて行くのかを、まず確認することが必要となる。その上で、従来の機会主義的な展開を改め、戦略的な意図をもって「わが社はどこで勝ち残るのか、どこで圧倒的No.1になるのか」の問いを立て、正面から向き合っていくことが必要である。
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インフラ崩壊か財政破たんか
2012年6月12日(火)開催 (掲載日:6月27日)
日本経済研究センター大阪支所
講師
根本祐二・東洋大学経済学部教授
要旨
包括管理で「老朽化」に対応―多機能化や公民連携を軸に
@1960―70年代、高成長を背景に世界でも稀な速度で公共投資が進んだ結果、各地の公共施設やインフラが集中的に耐用年数を迎えつつある。
A更新に必要な投資額は今後50年間にわたって年間8.1兆円と試算され、現在の国・地方を合わせた公共投資予算の約4割に達する。
B厳しい財政事情が続く中、自治体が公共施設・インフラの老朽化問題に的確に対応するには、自治体経営へのマネジメントの導入、「シティ・マネジメント」的なアプローチが欠かせない。
C実態を把握したうえで、公共施設については広域化、多機能化や民間との連携、インフラについては個別ごとではなく包括的なマネジメントの推進が有効な手段となり得る。民間の知恵も生かしながら、目覚ましい成果を上げる自治体の例も出ている。

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≪緊急シンポジウム≫活力と希望を呼び込む税・社会保障改革とは
2012年6月11日(月)開催 (掲載日:6月25日)
日本経済研究センター
講師
岡田克也・副総理
大田弘子・政策研究大学院大学教授
久保田政一・日本経済団体連合会専務理事
西沢和彦・日本総合研究所主任研究員
岩田一政・日本経済研究センター理事長
司会)大林 尚・日本経済新聞編集委員
要旨
「一体改革」は再生へのまだ一歩―将来見通したプラン示せ
@「社会保障と税の一体改革」に関連した法案の審議が始まった。しかし、社会保障と経済成長および財政再建との整合性は依然、不明確なまま残されている。特に、消費税の引き上げが社会保障制度の維持に十分なのか、本来、社会がどこまで保障すべきか、という視点が欠けている。
A社会保障制度の持続可能性を高める上では、給付と負担の関係を明確にすることが不可欠。とりわけ現行の医療・介護制度においては受益と費用負担の関係が複雑になり過ぎた結果、制度に対する信頼を損ねている。制度改革で国民の信頼を取り戻すべきだ。
B医療・介護は本来、日本経済の成長分野であり、そのためには効率化・規制緩和による活性化が求められている。IT(情報通信技術)の活用、医療機関の役割分担を進めることによって、利用者の目線に立ったサービスが提供される。社会保障の「聖域無き改革」が喫緊の課題である。
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≪株価座談会≫世界経済と日本株―2012年後半の相場展望
2012年6月6日(水)開催  13:30〜15:00 (掲載日:6月13日)
日本経済研究センター
講師
成瀬順也・大和証券投資戦略部チーフストラテジスト
チャールズ・J・ヤン・T&Dアセットマネジメント取締役執行役員兼チーフ・インベストメント・オフィサー(CIO)
司会)中野義一・日本経済新聞社編集局次長兼証券部長
概要
 大和証券チーフストラテジストの成瀬順也氏とT&Dアセットマネジメント取締役執行役員チーフ・インベストメント・オフィサー(CIO)のチャールズ・J・ヤン氏は、日本経済研究センターが主催した座談会で、海外情勢の好転などで年後半にかけて日経平均株価は緩やかに上昇するとの予想を示しました。
 概要は12年6月13日付日本経済新聞「専門家座談会 株、年後半 緩やかに上昇」で紹介されました。
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※PDF記事は、日本経済新聞社の許可を得て転載しています
《朝食会》今後の経済財政政策について
2012年6月4日(月)開催 (掲載日:6月14日)
講師
古川元久・国家戦略担当大臣、内閣府特命担当大臣(経済財政政策、科学技術政策)、宇宙開発担当大臣
要旨
構造改革とデフレ脱却、ともに追求―成功事例重ね、自信回復を
@ バブル崩壊以降、長期の停滞が続き日本は自信を失っている。日本経済の体質を改善するには、財政・金融政策だけに頼らず、構造改革に取り組まなければならない。
A 足元の日本経済は復興需要と政策対応で回復しつつあるが、欧州政府債務危機や金融市場の変動等の先行きリスクは小さくない。
B 構造改革の遅れをこれ以上許すことはできず、日本経済の成長力強化を図ることが必要。このため、一日も早いデフレからの脱却を図るとともに、新成長戦略の推進、そして、大震災を踏まえそれを強化した日本再生戦略の策定を進める。
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キャンペーン事例からみるインドマーケティング事情
2012年5月29日(火)開催 (掲載日:6月12日)
日本経済研究センター
講師
中村済美・博報堂研究開発局グローバルナレッジ開発グループグループマネージャー、主席研究員
要旨
地方都市・農村開拓が今後の課題―急速に普及するネットの活用も有望
@インドでのマーケティング戦略構築に際しては、階層ごとの消費行動を理解することが重要。商店の95%が「キラナ」と呼ばれる零細商店であるため、店頭でのブランド選択が行われにくいという特徴もある。
Aインドの広告市場は約4700億円。人口の割にはまだ小規模だが、年率約10%のペースで成長している。広告媒体は新聞やテレビが主流。テレビはケーブルテレビと衛星放送が中心。全国放映のチャネルも多く、使用言語には注意が必要だ。ネット広告のシェアはまだ小さいが、成長性は高く有望なメディアだ。
B内外企業はインド人の文化やライフスタイルに合うよう現地化したユニークで多彩な広告を展開し、ブランドイメージの浸透を図っている。中にはかつてタブーとされたインド人の意識に踏み込むアプローチも登場している。ブランド・アンバサダーと呼ばれるCMキャラクターには映画俳優やクリケット選手を起用するケースが多い。既に地方や農村市場の開拓もテーマになっている。
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シェールガス革命と日本
2012年5月28日(月)開催 (掲載日:6月5日)
日本経済研究センター
講師
須藤 繁・帝京平成大学現代ライフ学部教授
要旨
シェールガス革命の衝撃、世界へ―強化せよ、わが国の価格交渉力
@非在来型資源のひとつであるシェールガスは、これまで経済性に難点があったが、数々の技術革新を背景に採算が改善し、近年、米国を中心として大きく生産を伸ばしている。
Aシェールガスの登場は国際情勢に影響を及ぼし始めている。「LNG需給の緩和」「ロシアの対欧州での政治力低下」等に表れている他、今後中国の資源外交を変化させ得る。シェールガス開発の技術はシェールオイル開発にも適用でき、今後、石油供給が拡大すれば、地政学的なパラダイムはさらに大きく変化しよう。
Bシェールガス・オイルは国際石油市場において時代を画するような存在だ。シェールガス・オイルの普及は原油相場を1バレルあたり70〜80ドルで下支えする効果をもたらすとみている。日本が「革命」の恩恵を享受するには、割高な現行のLNG輸入価格の是正などが課題となろう。
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セミナー資料
時流に乗る経営戦略
2012年5月24日(木)開催 (掲載日:7月6日)
日本経済研究センター大阪支所
講師
似鳥 昭雄・ニトリホールディングス代表取締役社長
要旨
経営に必要なロマンとビジョン
@ニトリグループは、1990年代以降の「失われた20年」を、むしろチャンスとして捉え、積極的な店舗展開で業績を大きく伸ばすことができた。
A成長の背景としては、経営戦略が正しかったことが挙げられる。成長を果たすため必要なのは、@ロマンとビジョンA時流に乗るための重点経営戦略B体系的な経営技術原則――だ。
Bロマンとは経営理念、ビジョンとは具体的な数値目標である。生きがいにつながる経営理念と、売上高ではなく社会貢献を追求する長期の計画が必要だ。
C経営戦略は最も重要なもの。当社は「損して得を取る」という経営戦略を貫いてきた。ただし、こうした経営戦略も、時流を読み、5〜15年程度で変える必要がある。
D組織づくりは、トップと現場が近い「菅笠(すげがさ)」のような形態を目指すべき。改革・改善を絶えず積み重ねられる人材の育成も重要だ。

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<総会記念講演>日本経済再生の戦略
2012年5月18日(金)開催 (掲載日:5月25日)
日本経済研究センター
講師
岩田一政・日本経済研究センター理事長
要旨
成長戦略実現に5つの戦略―ユーロ危機深まり、政策転換必要
@ユーロ危機は5月のギリシャ総選挙とフランス大統領選挙で再び深刻化した。財政再建路線は見直される可能性が高い。当面は金融安定化基金の拡充や欧州中央銀行(ECB)の資金供給で対処するしかない。国際経済情勢は厳しさを増している。
A野田内閣は成長戦略シナリオで実質経済成長率2%の目標を掲げたが、政策レジームのシフトがないと実現は難しい。実現のための戦略として、地方発の成長モデルの展開、エネルギーパスの選択、企業のグローバルサプライチェーンの再構築と国際人材育成や税と社会保障制度の抜本改革などを提案する。
B戦略の中では、国際金融体制の安定に日本が貢献することも重要だ。主要通貨を安定させることは、円高とデフレからの脱却につながる。
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関連する日経センターリポート
・環境・エネルギー政策のシナリオ分析「原発・再エネの選択、経済影響はCO2目標次第に 事故リスク対応費用、60〜120 兆円が原発維持のメド」
・活力と希望呼び込む税・年金改革を(2)「段階的改革も選択肢、まず『税方式化』着手を」
・中期予測の論点「原発の行方で異なる4つのシナリオ」
・復興対策・原発問題への金融面からの政策提言「インフラ復興に民間投資呼び込め―PFI活用で財政負担軽減、人材結集した新機構の設立を」
・税・社会保障改革「活力と希望呼び込む税・年金改革を−年金は税方式に、法人税減税もあわせて」
・エネルギー制約を考える「既存原発止まれば、影響10年単位に―電力不足、GDPを最大2%押し下げも」
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≪日経センター「国際経済研究」報告≫ CLM(カンボジア、ラオス、ミャンマー)の経済
2012年5月10日(木)開催 (掲載日:5月28日)
日本経済研究センター
講師
小島英太郎・日本貿易振興機構海外調査部アジア大洋州課課長代理
牛山 隆一・日本経済研究センター主任研究員

要旨
生産拠点、消費市場として関心高まるミャンマー ―制度づくり、インフラ整備はこれから
@これまで経済発展が遅れていたミャンマーは、急速な民主化と改革によって日本など各国の企業から注目を集めている。特にタイや中国などと比べて低廉な労働力が魅力で、衣類・靴などの生産拠点として進出メリットがある。
Aまた、6200万人の人口や所得増を背景に消費市場としての可能性もあり、資源や原料の調達先としても期待できる。
Bインフレや通貨チャット高への懸念はあるが、為替制度の改革や民間銀行の育成、輸入規制の緩和、輸出税の減免、さらには外国投資法や経済特区(SEZ)法の改正など、外資誘致拡大を目指した改革も着実に進んでいる。
Cしかし、外資系企業による貿易ができないことや、小売りに参入できないこと、ドル送金が行えないなどの問題点が残る。電力、通信、道路・港湾などインフラ整備もまだこれからだ。
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小島氏資料
牛山資料
参考 《2011年度「国際経済研究」報告書》アジア「新・新興国」 CLM(カンボジア、ラオス、ミャンマー)の経済
東アジア情勢と日本外交
2012年5月8日(火)開催 (掲載日:5月21日)
日本経済研究センター 東京・昼食会
講師
田中 均・日本総合研究所 国際戦略研究所理事長
要旨
北朝鮮問題、解決へ3つの施策―対中戦略、けん制と協調を
@北朝鮮の金正恩政権は国内での求心力を高めるために、対外強硬策に打って出ている。政権移行時には軍内部の権力闘争リスクもあり、極めて危険な状態だ。
A北朝鮮問題の解決は難しいが、不可能ではない。「日米韓による危機管理計画の策定」「中国に対する説得」「トップ直結型の交渉」という3つの施策に覚悟を持って取り組む必要がある。
Bただし、拙速な交渉は避けるべき。対北朝鮮で大きな動きをするには、各国の政治が安定するのを待たざるを得ない。
C中国とどう向き合うかが東アジアの安定において大きなテーマ。「力の空白」を作るのは危険で、日本は米国と安全保障体制の協議を深めることが必要。
D日本はTPPなど国際的なルール作りに積極的に参加し、東アジアにおける資源・エネルギー分野の協力体制も主導すべき。
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欧州政府債務危機と通貨統合
2012年4月27日(金)開催 (掲載日:5月11日)
日本経済研究センター
講師
齋藤  潤・日本経済研究センター研究顧問
要旨
最適通貨圏に向けた構造政策が不可欠―「負のスパイラル」への対応も課題
@ギリシャをはじめとする南欧諸国は財政再建に着手したが、財政再建と景気悪化の「負のスパイラル」が発生。金融機関による信用収縮も経済を下押ししている。「負のスパイラル」を緩和するには、国際機関を中心として、各国で異なる財政状況を踏まえた財政再建のスピード調整を行う必要がある。
A欧州中央銀行(ECB)の資金供給や財政協定の進展、ギリシャ2次支援でマーケットは落ち着いてきたが、政策対応としては、財政再建だけでなく、生産性を高めるための構造政策を進めることが重要である。柱となるのは、硬直的労働市場の改革とサービス部門・職業部門での競争促進である。
B最適通貨圏でない国々の通貨統合だから失敗したという議論があるが、通貨統合後に最適通貨圏に向けた構造政策が行われていなかったことが問題である。南欧諸国はユーロ導入後の長期金利低下による好況で構造政策を先送りした。経済状況が良いときこそ構造政策を進めるべきであった。
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セミナー資料
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2012年度の景気動向
2012年4月20日(金)開催 (掲載日:5月9日)
日本経済研究センター大阪支所
講師
嶋中雄二・三菱UFJモルガン・スタンレー証券参与・景気循環研究所長
要旨
反転強め、回復軌道たどる―相次ぐイベントもプラス効果
@米国経済は全体的に改善方向にあり、失業率は夏までに劇的に改善する可能性がある。債務危機に揺れる欧州は足元の景況感はしぶとく、先行指標からも大底を打ったと判断できる。新興国も危機を脱しつつある。
A2012年は主要国の大統領選や五輪などのイベントが相次ぎ、世界中で「盛り上がる年」となる。日本も今年竣工の大規模再開発計画が目白押しで、景気へプラス効果が期待できる。各種の経済指標も反転し、回復傾向が強まっている。
B国内景気は設備投資を中心とする10年周期くらいの「中期循環」の上昇局面も視野に入っている。そうした中で、政府目標の名目成長率3%を達成するには、日銀によるマネーの追加供給が欠かせない。
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セミナー資料
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≪日経センター「中国研究」報告≫ 台頭する中国、日本はどう向き合うか
2012年4月16日(月)開催 (掲載日:4月25日)
日本経済研究センター
講師
丸川知雄・東京大学社会科学研究所教授
山崎正樹・日本経済研究センター主任研究員
司会)北原基彦・日本経済研究センター中国研究室長兼主任研究員

要旨
日中貿易の拡大で地域安定―環境、日本企業は総合展開を
@日本と中国の貿易は機械を中心に産業内貿易が活発に展開されている。日中貿易は香港を間にはさむものが多いため、双方の統計とも自国の赤字だが、輸入統計同士を突き合わせると2006年以降は日本の黒字であり、しかも黒字が急拡大している。
A日中貿易では貿易赤字が深刻でないため、日米や米中のような貿易摩擦はない。しかし、過去のプラント契約破棄や、最近のレアアース問題のような摩擦が起きる。環太平洋経済連携協定(TPP)より日中韓自由貿易協定(FTA)の方が日本にとって効果は大きく、日中貿易を安定的に拡大することが地域の安定につながる。
B中国では急速な経済成長と、資源多消費型の発展モデルにより環境問題が深刻化している。
C中国での環境ビジネスは日本企業にとって商機である。日本企業は価格を下げ、複数企業による総合的な事業展開を目指すべきである。
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丸川氏資料
山崎資料
北原資料
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日本のエネルギー問題をどう解決するか
2012年4月13日(金)開催 (掲載日:5月14日)
日本経済研究センター大阪支所
講師
植田和弘・京都大学大学院経済学研究科教授
要旨
重要なエネルギーシステムの再設計―国民的議論と政策総動員で推進を
@エネルギー政策を巡る問題は複雑多岐にわたる。エネルギー基本計画の見直しという中長期の議論と、原発再稼働という目先の議論は、分けて考える必要がある。
A原発再稼働はその必要性だけで考えてはならない。地元の納得が得られるか、福島の事故原因究明、原発の安全規制、事故が起こった場合の対策も、判断基準として不可欠だ。
Bエネルギー基本計画の見直しにあたっては、電力・エネルギーシステムの改革と、その結果としての電源・エネルギーミックスを、選択肢として国民に示すことが必要である。
C国家戦略室のコスト等検証委員会が示した電源別発電コスト集計は、計算の方法まで国民が見ることのできる画期的なもの。これを見る限り、原発は必ずしも安価な発電方法ではない。
D電力・エネルギーシステム再設計には、持続可能性の原則適用が必要。経済構造を変革するという観点に立ち、国民的議論と政策総動員で進めたい。
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≪希望と成長による地域創造研究会―「地域アイデンティティ」研究分科会報告≫
2012年4月10日(火)開催 (掲載日:5月8日)
講師
<対談>
玄田有史・東京大学社会科学研究所教授(地域創造研究会主査)
藻谷浩介・日本総合研究所主席研究員(地域創造研究会副主査)
要旨
かけがえのなさが本質―あるもの探しで発見できる
@長男が地域でチャレンジするようになり、集客交流産業が高度化しており、いずれ地域の人口が下げ止まるのではないか。
A人間には、交換できる価値ではなく取り替えのきかない自分を目指す非交換価値獲得欲求がある。非交換価値とは「かけがえのなさ」であり、それがアイデンティティの本質だ。
Bイノベーションを生み出すのは、交換価値獲得欲求ではなく「好きでたまらない」など「かけがえのなさ」だ。
C「かけがえのなさ」を発見するには、「ないもの探し」ではなく「あるもの探し」から始めることだ。ちょっとしたことにも、「かけがえのなさ」は宿る。
D他の地域や人と「weak ties」(緩やかな絆)を持つことが、「かけがえのなさ」の発見につながる。
E非交換価値を追求しても、多数は交換価値を求めて働くので、経済が回らなくなることはない。
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参考 地域アイデンティティ研究11年報告書
身近なデータで読む日本経済―オリンピックからヒット曲、ドラマまで
2012年4月9日(月)開催 (掲載日:4月16日)
日本経済研究センター
講師
宅森昭吉・三井住友アセットマネジメント理事・チーフエコノミスト
要旨
身近なデータも景気回復示す−世相前向き、消費底堅く
@辰年には円安・株高となる経験則がある。今回は2月に、欧州債務危機懸念弱まったこと、米国景気が予想以上に底堅いことと、日本の貿易収支が赤字に振れたことから、円安が進んだ。ジンクスが的中する可能性が大きい。
A身近な社会現象のデータには景気や世相が映し出される。「今年の漢字」や人気のテレビドラマを見ると、東日本大震災からの復興に対しての、人々の前向きな気持ちが読み取れる。
B子ども向けの音楽CDでヒットが生まれているのは、親の財布の紐が緩んでいるからだ。正月の初詣の人出や箱根駅伝のテレビ視聴率を見ても、消費の底堅さがわかる。景気の見通しは当面明るいだろう。
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資料
セミナー資料@
セミナー資料A
≪希望と成長による地域創造研究会−「地域から考える成長戦略」研究分科会報告≫
復興支援を地域の内発的成長につなげよ― 被災地の現実と経済学の視点から
2012年3月28日(水)開催 (掲載日:4月16日)
日本経済研究センター
講師
<基調講演>
小峰隆夫・日本経済研究センター研究顧問(研究会主査、法政大学大学院教授)
<ゲスト講演>
増田寛也・野村総合研究所顧問(元総務大臣、前岩手県知事)
<パネルディスカッション>
増田寛也・野村総合研究所顧問
岡本義行・法政大学大学院教授(研究会副主査)
樋口一清・信州大学大学院教授(研究会副主査)
中川雅之・日本大学経済学部教授(研究会副主査)
小峰隆夫・日本経済研究センター研究顧問
司会)小林辰男・日本経済研究センター主任研究員
要旨
東北復興を日本再生のモデルに―持続的成長に民間活力を引き出せ
 日経センターの希望と成長による地域創造研究会「地域から考える成長戦略」研究分科会では2011年の東日本大震災の発生を受けて、このほど「復興支援を地域の内発的成長につなげよ」と題する報告書をまとめた。本セミナーはこの報告会である。
 セミナーではまず研究会の小峰主査が「被災地の厳しい現実を見据え、経済学的な視点に立ち、民間と政府の政策の適切な組み合わせを示すことが報告の基本姿勢である」と基調講演を行った。
 次にゲスト講演に立った増田氏は「被災地の現実から見て、住居の確保・雇用・がれき処理・福島県・心のケアの5つが緊急の課題である」と今後の復興政策のポイントを挙げた。
 続いてパネルディスカッションに移り、報告書の内容を中心に討論を繰り広げた。
 岡本副主査は漁業先進国ノルウェーとの対比から「日本でも漁業に携わる人たちを教育しながら知識産業化・クラスター化を促し、地域の雇用を生み出すようにすべき」と力説した。
 樋口副主査は「被災地ではボランティア等の社会的起業のための制度整備が急務。それが産業の新陳代謝と地域の活性化につながる」と起業を軸とした成長戦略を提起した。
 中川副主査は効率性の観点から「成長都市か収縮都市かで復興政策は異なる。成長都市は元の姿に戻すことが目標となるが、収縮都市は都市部への集積を促すことが重要」と指摘した。
 討論の最後に小峰主査が「持続的な成長のためには、被災地だけでなく日本全体が民間主導で成長するという理念を確立しなければならない」と総括した。
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資料
増田氏資料
岡本氏資料
樋口氏資料
中川氏資料
小峰研究顧問資料
参考 地域から考える成長戦略研究11年報告書
中国経済の「量から質へ」の転換にどう対応するのか?
2012年3月23日(金)開催 (掲載日:4月11日)
日本経済研究センター大阪支所
講師
肖 敏捷・ファンネックス・アセット・マネジメント首席エコノミスト
要旨
消費主導で「中成長」を実現―都市化やサービス需要が牽引役
@ 中国の今年の経済成長率目標は7.5%となったが、下限であり、失速を心配する必要はない。問題は、リーマン・ショックの後遺症が大きく、投資依存型の高成長モデルが限界に達しつつある点である。
A 過去10年間の構造改革は失敗に終わった。消費主導で「中成長」に持っていこうというのが今後のシナリオだ。また、人件費の上昇に伴い、産業構造の高度化、個人消費の裾野の拡大など、「量から質へ」の転換が、中国経済のこれからのキーワードといえる。
B 経済発展から社会発展に向け、都市化や日本並みの速さで進む高齢化に対応したサービス機能の充実も急務となっている。雇用創出の点からもサービス産業への期待が高まる。
C 企業にとっては、そうした流れに見合った消費とサービスをいかに提供するかがポイント。高品質を強みとする日本企業にとっては、対中ビジネスを拡大させる好機となろう。
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「働きたい会社−従業員価値を高めるには」研究会報告
「働く人に選ばれる企業」とは?
2012年3月16日(金)開催 (掲載日:4月4日)
日本経済研究センター
講師
呉田弘之・サントリーホールディングス人事部部長
鶴光太郎・経済産業研究所上席研究員兼プログラムディレクター
幡宏幸・京都銀行人事部長
守島基博・一橋大学大学院商学研究科教授
要旨
「成長」、「尊重」が重要―現場のマネジメント改革を
 「働きたい会社−従業員価値を高めるには」研究会の成果について、守島研究会主査が報告。○従業員にとっての企業価値(従業員価値)が高い企業が「働きたい会社」、○「働きたい」は「働きがい」と「働きやすさ」の両方が重要で、「成長」「尊重」という従業員価値と特に関係している、○「働きたい」という意識は、現場でのマネジメントの内容が重要である、などが明らかになった。「働きたい会社」の考え方は、企業や国の活性化にも役に立つだろう。
 パネルディスカッションでは、幡氏、呉田氏が、それぞれ自社のHRM施策、従業員調査の結果について説明。鶴氏は、研究会報告に対し、従業員価値を考える時、過去から現在、未来へのプロセスの繰り返しを意識し総体的に捉えるという別の視点を提示した。
 議論では、○グローバル化、女性の活躍など多様化に対応するには、価値観の浸透、現場のマネジメントが重要、○「成長」促進には明示的な意思疎通で働くインセンティブを高めることが必要、○人材育成には自律性を尊重する、など方向が示された。
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資料
鶴氏資料
幡氏資料
守島氏資料
聴くゼミ(守島氏報告、音声)
21世紀の企業
2012年3月12日(月)開催 (掲載日:3月27日)
日本経済研究センター大阪支所
講師
堀場雅夫・堀場製作所最高顧問
要旨
トップは自らの価値観を明確に―Win-Winの関係構築が重要
@近代西洋文明とは「近代資本主義」と「科学技術至上主義」が車の両輪のように回転する文明であるが、20世紀終わり頃から、両方にほころびが生じてきた。前者では富の偏重・格差の問題と行き過ぎた金融テクノロジーの問題、後者では核エネルギーの利用や、バイオ技術と生命倫理に関する問題である。こうした問題を解決するには、何より人間が謙虚になることだ。
A日本がまずなすべき課題は、一極集中の排除・地域主権国家の形成である。民活の導入により、これを進めるべきだ。
B21世紀の新しい資本主義を構築するため、企業の自助努力も必要。企業トップが自らの価値観を明確にし、すべてのステークホルダーとWin-Winの関係を築くことが大切である。
C企業教育も重要だ。どうすれば個人の能力を引き出せるかを第一に考え、最も適しているポジションに就かせることを目指すべきである。
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聴くゼミ(音声)
社会保障制度の再構築―保険と再分配のバランス
2012年3月9日(金)開催 (掲載日:3月22日)
日本経済研究センター
講師
田中秀明・政策研究大学院大学客員教授
要旨
社会保障改革:保険原理と再分配原理の区別がカギ―現在の問題を徹底的に議論せよ
@これまでの社会保障に関する議論は、財源に焦点が当てられている。その一方、現在の社会保障制度が抱える根本的な問題は十分には分析されていない。
A日本の社会保障の基本は社会保険とされているが、年金や医療制度において、制度間の財政調整と一般財源(税)の大量投入により、給付と負担が乖離し、ガバナンスが低下している。また、社会保険料の負担が極めて逆進的であり、非正規雇用の増大もあり、保険料の未納や減免などが増大し、保険制度が立ち行かなくっている。
B社会保障制度は、最終的には、何を公平・公正と考えるかという価値判断に依存するが、まずは、現在の制度が抱える問題を徹底的に分析することが必要である。
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セミナー資料
温暖化防止を成長に―今後の国際的枠組みの見通しとビジネスチャンスを読み解く
2012年3月9日(金)開催 (掲載日:3月19日)
日本経済研究センター
講師
小林 光・日本経済研究センター特任研究員(前・環境事務次官)
要旨
「ポスト京都」は競争力向上の機会
@温暖化防止の国際枠組みを決めた京都議定書は、産業界が主張する「不平等条約」ではない。ドイツや英国など主要な欧州先進国は、日本よりも厳しい温暖化ガスの排出削減義務を負い、実際に削減目標を達成しつつある。
A日本の省エネルギー水準は世界トップといわれるが、昨今では欧州先進国に完全に追いつかれている。排出削減義務を負っていない中国や米国も相当なスピードで省エネが進んでおり、日本の優位な地位は揺らいでいる。
B2020年以降の国際的な枠組みを決める「ポスト京都」は世界が環境分野で大競争する仕組みづくりである。日本のビジネスチャンスを拡大するため、積極的にルール作りへ関わるべきだ。
C経済性を追求する際に、福島第一原発事故で明らかになった「社会的費用」を念頭においた経営や政策判断が必要になる。今後、環境ビジネスの場は、世界で拡大することは確実で、失われた10年、停滞の10年を抜け出す機会と考えられる。
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セミナー資料
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<GSR研究会報告>問われる企業のグローバルな社会的責任―危機への対応、平時の取り組み
2012年3月8日(木)開催 (掲載日:3月30日)
日本経済研究センター
講師
高橋秀明・慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科特任教授(GSR研究会副主査)
梅津光弘・慶應義塾大学商学部准教授(GSR研究会副主査)
宮本武・グローバル・コンパクト・ジャパン・ネットワーク事務局長(GSR研究会副主査)
司会)竹中平蔵・日本経済研究センター研究顧問(GSR研究会主査)
要旨
地球規模の課題解決の担い手に―多様な主体との連携が重要
@企業には社会的責任があり、それはグローバルな文脈で考えるべきものである。こうした認識から日経センターは2009年4月、企業の地球的な規模での社会的責任を模索する「GSR(Global Social Responsibility)研究会」を設けた。
A我々はグローバル・アジェンダ、つまり地球的な課題に直面している。その解決に当たっては資金、人材、技術といったリソースを豊富に持つ企業の役割が重要である。ただし企業単独ではなく国際機関、各国政府、非政府組織(NGO)、非営利組織(NGO)などと連携して「マルチ・ステークホルダー」態勢を構築することが求められる。
B東日本大震災では日本の民の活力、企業の現場力が発揮された。日本人は経済合理性だけを追求しているのではなく、非常時には顧客や地域のために命がけで行動する。これは世界に誇れる企業倫理である。
CGSRでは事業性と社会性の両立が必要だ。これは簡単なことではないが、貧困層を労働者などとしてバリューチェーンに加える「包括的ビジネスモデル」など有力な手法が生まれている。
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国富論から幸福論へ 経済戦略とスティグリッツ報告
2012年3月7日(水)開催 (掲載日:3月16日)
日本経済研究センター
講師
福島清彦・立教大学経済学部特任教授
要旨
GDPに代わる「幸福度」増大を政策目標に―「暮らしの質」「持続可能度」は成長にも貢献
@欧米では、GDPとは別に「幸福度指標」を開発する動きが始まっている。その発端は、スティグリッツ米コロンビア大学教授がサルコジ大統領の諮問を受けて作った報告書にある。
AEUは「超GDP」の考え方で新戦略「EU2020戦略」を策定、米国もそれを取り入れた政策をとり、「主要全国指標」(KNI)の開発を始めている。
B新指標導入が目指すのは、経済成長ではなく個人の幸福度の増大だ。この基準で国民経済計算、家計所得、個人資産についても新たに測定しようという試みだ。
C個人の幸福で重要なのは健康、教育水準、他人との繋がり、そして持続可能性だ。
D個人の幸福度を高めると、やる気が出て全要素生産性が上昇、結果的に経済成長も促進される。
E日本のように人口が減る国こそ、新指標による新戦略が必要だが、まだ不十分である。幸福度増大のために、教育、社会保障、環境保全に対して、従来以上の取り組みをすべきである。
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セミナー資料
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欧州ソブリン危機とユーロの将来
2012年3月6日(火)開催 (掲載日:3月12日)
日本経済研究センター
講師
ピーター・ベックス・欧州委員会経済金融総局国際関係局長
要旨
5つの具体策で債務危機克服―ギリシャの実行力など課題に
@欧州債務危機は経済の減速と銀行の脆弱化、政府債務への信頼の低下が相互に作用しあって、悪循環に陥ったと考えている。
Aユーロ圏の経済成長は2011年後半から大幅に減速し、2012年はマイナス成長のリスクが高まっている。
B危機に対処するために、5つの柱からなる計画を策定した。ギリシャ懸念の払拭、他の南欧諸国の財政強化、ファイアウォールの構築、銀行部門の強化、ガバナンスの強化だ。
Cギリシャの緊縮策実行力と、ESM拡充へのドイツの協力取り付けが課題。
Dガバナンスでは従来の安定成長協定の弱点を補うため、政府債務残高への監視の強化や制裁措置の自動発動などを盛り込んだ。
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自然災害と危機管理
2012年3月2日(金)開催 (掲載日:3月22日)
日本経済研究センター 東京・昼食会
講師
河田惠昭・関西大学社会安全学部長
要旨
首都圏災害、全体的な危機管理を−「結果」を考え「想定外」をなくせ
@首都圏で予想される自然災害として、首都直下型地震、河川氾濫、高潮氾濫、それらの複合災害が挙げられる。それらによる被害の予想は極めて困難である。
A特定の規模、特定の場所を想定した自然災害予測は、「想定外」を生み出してしまう。それを防ぐには、ある程度幅を持たせた予測が必要だ。
B首都直下型地震の被害はとても大きなものとなる。被害を抑えるためには、地域ごとに対策をとるのではなく、それぞれの地域が協力し、全体として整合性のとれた対策をとらなければならない。
C災害対応は常に不確実な情報をもとに判断しなければならない。そのような状況で組織として適切な対策をとるには、リーダーシップが必要だ。
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競争激化する自動車業界―日本車の勝ち残りに向けて
2012年2月28日(火)開催 (掲載日:3月13日)
日本経済研究センター
講師
吉田達生・UBS証券株式調査部シニアアナリスト マネージングディレクター
要旨
世界市場の牽引役は新興国へ―市場ニーズへの迅速・果敢な対応が鍵
@ 国内の自動車市場の伸びが期待しにくい中、日本の自動車業界は様々な厳しい課題に直面している。特に東日本大震災・タイの洪水被害からの回復、円高への対策、そして欧州債務危機などへの対応などが喫緊の課題となっている。
A 米国市場は更新需要と移民増加に伴う新規需要を合わせると年間1500万台〜1600万台程度の新車販売台数が見込める。欧州市場の回復力はやや弱いが、中国市場は引き続き成長を持続している。世界の自動車市場は2000年代後半以降、中国を筆頭に新興国が牽引する構図となっており、長期的にも同様の状態が続くであろう。
B 韓国メーカーは世界で着々とシェアを伸ばし、米国では日本の大手3社に次ぐ存在へと成長した。日本の自動車業界は先進国市場での優位性を死守するとともに、新興国市場で市場ニーズに即した商品をタイムリーに投入し、存在感を高めるべきである。
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セミナー資料
WTO加盟に向けたロシア経済
2012年2月28日(火)開催 (掲載日:3月1日)
日本経済研究センター
講師
浅元薫哉・日本貿易振興機構 海外調査部欧州ロシアCIS課
要旨
WTO加盟で投資・技術の導入目指す―欧州危機で貸し渋り懸念も
@ロシア経済は潜在的な市場規模の大きさを背景に比較的安定成長が期待されているが、欧州危機からの金融機関による貸し渋りが、ロシア経済へ悪影響を及ぼす可能性がある。
A持続的な経済成長を実現するには外国からの資本や付加価値の高い技術の導入が必須で、WTO(世界貿易機関)加盟もその一環。加盟による市場開放は段階的で投資環境改善には時間が必要となるが、先行利益獲得を目指す外国企業の進出が加速している。
Bプーチン氏が最終的に大統領に当選する見通しが強い。プーチン氏は産業の多様化が必要という認識を持っており、WTO加盟によって外国企業の信頼を獲得する必要性を感じている。選挙後の混乱を乗り越え、WTO加盟や経済自由化を着実に成し遂げることがロシア市場の信頼性を高める。
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セミナー資料
パワーシフトで変貌する国際金融と日本
2012年2月24日(金)開催 (掲載日:3月6日)
日本経済研究センター
講師
行天豊雄・国際通貨研究所理事長
要旨
世界経済を制覇する金融・情報―パワーシェアリングが世界安定化のカギ
@近年の世界経済は、「グローバリゼーション」、「金融と情報による世界制覇」、「パワーシフト」によって突き動かされてきた。
A金融の拡大は富をもたらすと共に、格差という社会問題を生み出した。情報革命は情報の双方向化を実現し、民主主義の根底を揺るがすまでに成長した。
B戦後、唯一の覇権国として世界を指導してきた米国の地位が低下した結果、パワーシフトが起こり始めた。欧州は米国に並ぶ地位を確立させつつあったが、債務問題に苦しんでいる。中国は経済大国として成長したが、世界の指導的地位に立つには、理念が必要である。
C多極化した世界を安定させるには、力と責任を公正に配分するパワーシェアリングの仕組みを構築することが鍵となる。
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日本経済研究センター・野村総合研究所・北浜法律事務所共催インドセミナー
「M&Aによるインド進出の現状と留意点」
2012年2月16日(木)開催 (掲載日:3月1日)
日本経済研究センター
基調講演「インド企業・財閥の動向」
 マイケル・チャンディ・NRIインディアグループマネージャー
第一部:「インド進出の法務〜M&Aによるインド進出の現状と留意点〜」
 酒井大輔・北浜法律事務所弁護士(パートナー)
第二部:「インドにおけるM&A成功の秘訣−ケーススタディを元に−」
 又木毅正・野村総合研究所上級コンサルタント
パネルディスカッション
(パネリスト)
 又木毅正・野村総合研究所 上級コンサルタント
 酒井大輔・北浜法律事務所弁護士
 中島久雄・NRIインディア社長
(コーディネーター)
 山田 剛・日本経済研究センター主任研究員
要旨
第一線の専門家がインド進出に際しての疑問に回答
 日本経済研究センター(JCER)と野村総合研究所(NRI)、北浜法律事務所は2月16日、東京・大手町の日経カンファレンス・ルームにて、「M&Aによるインド進出の現状と留意点」をテーマとしたインド・ビジネスセミナーを開催した。セミナーには、各企業で実際にインド関連業務を担当したり、インド進出を検討しているビジネスマンら約150人が参加した。
 基調講演では、「インド企業・財閥の動向」と題して、NRIインディア・グループマネージャーのマイケル・チャンディ氏がインドの経済・産業界の特徴、インド企業の経営スタイルや文化などについて解説。プレゼンテーションでは、北浜法律事務所の酒井大輔弁護士が、「インド進出の法務」について、M&Aなどによるインド進出で想定できるパターンや留意点について法律家の立場から詳しく説明。これに続いて、野村総合研究所の又木毅正・上級コンサルタントが、「インドにおけるM&A成功の秘訣−ケーススタディを元に−」と題して、実際にM&Aを実施してインド進出を果たしたコクヨなどの実例を挙げながら、インド進出に際してのノウハウや問題解決について解説した。
 パネルディスカッションでは、酒井、又木両氏に加え、NRIインディアの中島久雄社長をパネリストに、日本経済研究センターの山田剛・主任研究員がコーディネーターとして司会進行役を務め、インド企業が日本に寄せる期待やパートナー探しの実際、現地での紛争解決方法などについて意見交換を行った。
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TPPと日本のアジア太平洋経済戦略
2012年2月15日(水)開催 (掲載日:3月7日)
日本経済研究センター
講師
浦田 秀次郎・日本経済研究センター特任研究員、早稲田大学大学院アジア太平洋研究科教授
山下 一仁・キヤノングローバル戦略研究所研究主幹、経済産業研究所上席研究員
要旨
TPP参加で日本経済復活を―価格支持による農業保護の転換
@閉塞状態にある日本経済を復活させるためにTPP(環太平洋経済連携協定)に参加すべきだ。TPPはFTAAP(アジア太平洋自由貿易圏)に向けて交渉中の唯一の枠組みであり、自由で開かれたビジネス環境を形成、経済成長に貢献する。
A2国間FTAでは、原産地規則の問題などからメリットを十分に享受できない。
BTPPは国際社会での力の行使に対し、ルールで対抗する道を開く。TPPのルールは、将来の世界の経済ルールになる可能性がある。
C自由貿易で経済力を高めることは食料安全保障にも資する。
DTPP形成に向けた障害は、自由化で被害を受ける、主として農業部門からの反対であり、一時的所得補填などセーフティネットを提供することも必要。
ETPP参加で日本の農業保護政策を価格支持から直接支払いに変更すれば、消費者負担がなくなる。日本が価格支持にこだわるのは、手数料収入に依存する農協の存在が大きい。
F日本のコメの品質は高く、減反政策を廃止すれば、関税ゼロでも競争できる。国内農産物需要が減少する高齢化・人口減少時代には、農業のさらなる生産性向上を行い、自由貿易を推進し輸出市場を開拓することが、農地資源の確保による食料安全保障につながる。
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セミナー資料(山下氏)
セミナー資料(浦田氏)
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変容する世界と日本
2012年2月13日(月)開催 (掲載日:2月22日)
日本経済研究センター
講師
竹中平蔵・日本経済研究センター研究顧問
要旨
復興の間に、増税よりも抜本改革を―経済は国内外とも先行き不透明
@1月に行われたダボス会議では、欧州経済に関心が集まった。欧州の問題は、Liquidity(資金の流動性)ではなくSolvency(返済能力)の問題であり、さらに、債務危機ではなく銀行危機だ。
Aアメリカでは大統領選、中国では国家首席交代を控え、その動向は各国に影響を与えるだろう。
B日本経済は現在、「異常」な状況にあり、そのような状況下での増税は望ましくない。仮に増税するのなら、高齢者向け社会保障ではなく、若い世代への支援に税金を使うべきだ。
C震災に関して総括し、ビッグピクチャーを描き、それを政治のリーダーシップで実践していくことが求められている。
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会社法改正の行方と実務への影響
2012年2月9日(木)開催 (掲載日:2月20日)
日本経済研究センター
講師
中村信男・早稲田大学商学学術院教授
要旨
ガバナンス強化へ選択肢提示――「社外」義務付け、企業に利点も
@昨年12月、法務省が「会社法制の見直しに関する中間試案」を公表した。法施行から5年が経過し、課題を整理するとともに、日本企業のガバナンス改善に向け、選択肢を提示している。
A中間試案では、社外取締役の導入義務付けや第3の統治形態の導入を提案している。企業側の利点としては経営判断が迅速にできる措置なども一部取り入れているが、なお課題がある。
B産業界は規制強化に反対しているが、ベストプラクティスの策定や実践に自ら進んで取り組むことで、日本企業のガバナンスに対する信頼を高めることができるのではないか。
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セミナー資料
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野田政権と消費税政局
―「決められない政治」から脱却できるか
2012年2月9日(木)開催 (掲載日:2月16日)
日本経済研究センター
講師
西田睦美・日本経済新聞論説副委員長兼編集委員
要旨
税・社会保障改革が試金石に―民主党の政策決定、混乱なお
@野田佳彦首相は、政権基盤の弱さから人事でつまずいている。1月の内閣改造で田中防衛相を起用したのは明らかな失敗だ。藤村官房長官、古川経済財政担当相も力不足である。
A民主党は政策決定がなお混乱している。年金改革は、具体的な制度設計を怠り、党内でも理解されていないなど準備不足だ。政策を決める仕組みも確立していない。党内に小沢一郎元代表の抵抗勢力を抱えるのも混乱を招く構造要因だ。
B税と社会保障の一体改革は「決められない政治」から脱却できるかの試金石になる。ヤマ場は5−6月に来る。解散、首相退陣のシナリオもあるが、改革法案を通した上で話し合い解散するのが与野党にとって望ましい。世論もカギを握る。
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円高下の国際競争力と雇用
2012年2月6日(月)開催 (掲載日:2月24日)
日本経済研究センター大阪支所
講師
大坪 清・レンゴー代表取締役社長
要旨
当面続く円高、積極活用策が必要―雇用維持は生産性向上を基本に
@現在の円高は当面収まることはない。円高を抑えることより、円高にどう対応し、円高をどう活用していくかを積極的に考えるべきである。
Aこのような状況下で雇用を維持していくためには、生産性の向上を第一に考えるべきである。また、その生産性とは全要素生産性でなければならない。
B金融緩和をしても、通貨の発行増はすべてデリバティブなどの金融商品に回ってしまい、いわゆる「流動性のわな」に陥る危険性が高い。
C企業は円高を活用するため、積極的に海外投資を進めるべきである。その場合に留意すべきなのは、他社にはない付加価値をシステムとしてつくり上げることだ。
D国際競争力をつけるためにはTPPへの参加が不可欠。また、今後の経済力を測るモノサシとして、GDPよりもGNIを採用すべきである。
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アラブ社会の未来図
2012年1月25日(水)開催 (掲載日:2月6日)
日本経済研究センター
講師
池内 恵・東京大学先端科学技術研究センター准教授
要旨
エジプトなどの代議制政治、中東民主化の試金石に―国民統合の度合いが「変化」を左右
@1年間という非常に短い期間では、革命や民主化という大きな変化は完結しない。重要なのは、既存体制に対する抗議行動が公然と行われたというプロセスだ。
A全てのアラブ諸国がエジプトやチュニジアと同じ速度で同じ方向に進んでいるわけではない。国民統合の度合いや、社会的な亀裂の程度によって、社会からの異議申し立ての形態や政権側の対応が異なり、当面の帰結も変わってくる。
Bアラブ社会の変化の根源にある原動力は、国民統合が進んだエジプトやチュニジアなどの、先行して代議制政治を行っている国の実例だ。この変化のプロセスがアラブ社会に波及していく事を注視していく必要がある。
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関西経済の成長戦略
2012年1月25日(水)開催 (掲載日:2月13日)
日本経済研究センター 大阪支所
講師
稲田義久・甲南大学経済学部教授、アジア太平洋研究所理事・研究統括
要旨
「ライフ」「グリーン」関連に軸足―カギは持続的革新とスピード感
@関西経済は、東日本大震災後の電力供給の制約や超円高、タイ洪水の影響もあって、34カ月ぶりに純輸出が赤字に転じるなど、取り巻く環境は厳しくなっている。
A電力供給の制約に伴う関西地区の昨夏の需要抑制率は全国に比べてかなり低かった。きめ細かで効果的な節電策を広域的に実施することが求められており、今後の成長戦略を考える上でも示唆に富んでいる。
B関西経済のポテンシャルを念頭に置いた成長戦略の柱は、医療を軸とした「ライフ」関連と環境・エネルギーを含む「グリーン」分野。具体化に向けた総合特区も承認された。
C実現のためには、ブランド化の促進、アジアを軸とした海外の所得の取り込み、人材の育成・活用、広域連携が欠かせない。とりわけ付加価値を高めるためのトータルな取り組みが重要で、持続的イノベーション(革新)とスピード感がキーワードだ。
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セミナー資料
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日本経済再生への道−グローバル化と産業集積
2012年1月20日(金)開催 (掲載日:2月9日)
日本経済研究センター
講師
戸堂 康之・東京大学大学院新領域創成科学研究科教授
要旨
海外、地域との「つながり」で成長を―中小企業でも世界進出で飛躍可能
@日本経済は危機的な状況にあるが、制度の転換により再び成長を取り戻すことが可能である。経済成長をもたらす技術進歩は、海外や地域との「つながり」によって得られる知識、技術、情報によって活発になる。
A日本には生産性が高いが、グローバル化していない「臥龍企業」が多い。また地方に産業集積が少ないという問題がある。これらは政策によって解決する必要がある。
B情報の非対称性や外部不経済などの問題も抱える市場には、問題点を解決するために政策による適切な介入が必要だ。だが企業の開業率を低迷させているような中小企業保護策は、行き過ぎで市場に悪影響がある。底力のある日本企業がグローバル化や産業集積を進め、適正な政策がそれを補助することで、日本が新たな成長路線に乗ることは十分に可能である。
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セミナー資料
中国・人民元制度改革の意図と戦略
2012年1月18日(水)開催(掲載日:1月30日)
日本経済研究センター
講師
曽根康雄・日本大学経済学部准教授
要旨
慎重に取り組む資本自由化―国際化はどこまで進められるのか
@中国は、国内の経済・社会の安定を優先するため、これまで為替制度の自由化を慎重に進めてきているが、近年は人民元の国際化の試みにも積極的である。国内の社会・経済の安定維持と国際金融システムにおける発言力の増大という2つの目標を同時に進めるために、自由化と国際化を使い分ける戦略を取るものと考えられる。
A自由化の進展は、マクロ経済の管理を難しくし、社会・経済の安定を損なうリスクがあるため、そのペースを加速することに対しては依然として慎重であり続けるだろう。
B現在香港の人民元オフショア市場を舞台に、人民元国際化の試行が始まっているが、これが資本取引規制緩和への圧力を強める可能性がある。一方で、マクロ経済管理の必要から、自由化・国際化への規制が強化されるリスクもあることに留意すべきである。
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セミナー資料
揺れる世界秩序と日本経済
2012年1月16日(月)開催 昼食会(掲載日:1月23日)
日本経済研究センター
講師
小島 明・日本経済研究センター研究顧問
要旨
日本は「キャッチアップ・モデル」から脱却せよ―新成長戦略の構築が不可欠
@2012年は米国や中国などで選挙や指導者交代が行われる年であり、不確実性・不透明感に包まれよう。中国ではナショナリズムが高揚する中で、軍拡が進められている。指導部が軍をうまくコントロールできなければ、東アジアの安全保障の懸念を増幅する恐れがある。
A欧州債務危機は問題が山積しているが、各国政府は政争に明け暮れている。イタリア、スペイン、ポルトガルなどの国債の多くが満期を迎える2012年前半が山場となる可能性が高い。早期に有効な政策を打ち出せるかが問われよう。
B欧州債務危機は、東アジアへの輸出や円高を通じて日本経済に悪影響を与えうる。日本は、従来の成長戦略である「米欧へのキャッチアップ・モデル」から脱却し、独自の新戦略を構築することが重要。
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