シリーズ 日経センター中国研究 (第4回)

金融システムの改革と日中金融協力

露口洋介・帝京大学経済学部教授
聞き手)湯浅健司・日本経済研究センター首席研究員
開催:
09月30日(木) 14:00~15:00
会場:
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*収録動画の配信期間:1月4日まで

■講師略歴
(つゆぐち ようすけ)1980年東京大学法学部卒、日本銀行入行。在中国大使館経済部書記官、日本銀行香港事務所次長、同初代北京事務所長などを経て、2018年から現職

■要旨

①中国で銀行は政府の管理下にあり、政府の意図に従い融資を行う。このような融資は、銀行がリスクと収益性のバランスを勘案しづらく不良債権が生じやすい。銀行の収益を維持する必要があるため、金利規制によって利ざやが確保されている。第三者決済などの銀行に類似した業務を行う企業への規制を強めることで銀行の保護を行い、収益を確保し自己資本の充実を促している。

②金利規制の下では銀行貸出量のコントロールが必要となる。中国人民銀行は窓口指導を継続しているため、海外との資本流出入を制限している。資本規制が続くと、人民元為替レートについても管理された変動相場制が続く。人民元の広範な国際的利用に向けた動きは引き続き遅々としたものとなろう。

③双循環政策もあって貿易収支の黒字は今後縮小する可能性が高い。経常収支の黒字を維持するには、投資収支黒字を拡大するよう国際ポジションを改善する必要がある。日本が中国の国債や社債への投資を拡大することで、日本の投資収益を向上しつつ中国の国際ポジション改善にもつなげることが可能である。中国企業の米国市場上場の規制も国際ポジション改善をもたらす可能性がある。日本において外貨建て決済システムを整備することが、日中両国の利益に資する。