中国がイノベーションの分野で世界をリードする存在となってきた。スマートフォンによる支払いは当たり前となり、キャッシュレス化が加速。電動バイク、シェアリング自転車が走り回る都会では、電気自動車の急速な普及も視野に入る。あらゆる国民が起業を目指す「創業革命」が進行中で、イノベーションの主体のスタートアップに投資マネーが流れ込んでいる。スマートフォンやドローンなどモノ作りでリードする広東省深圳市、ネット通販最大手アリババ集団(阿里巴巴集団)の本拠地・浙江省杭州市、外国人起業家が集まる国際都市・上海市を6月に訪れ、スタートアップを生み出す生態系(エコシステム)の実態を垣間見てきた。まずは「中国の新シリコンバレー」深圳をルポする。

【第1回のポイント】
- 広東省深圳市は40年足らずで人口380倍、地域総生産(GRP)6500倍と「深圳スピード」と呼ばれる急成長を成し遂げた。部品、部材のサプライチェーン(供給網)の厚みを生かし、中国の「新シリコンバレー」になりつつある。
- 電気自動車で世界をリードする比亜迪(BYD)やドローン(小型無人機)製造大手の深圳市大疆創新科技(DJI)もサプライチェーンの恩恵を受けて成長した新興ハイテク企業だ。
- 有力ハイテク企業は南山区南部の「高新園」に集まるが、同区北部「留仙洞」にもデザインとモノ作りを融合させた街を作る動きがある。その中核となるXファクトリーは、深圳のサプライチェーンと国内外の大企業を結びつけ、効率的にイノベーションを生み出そうとしている。
◆関連レポート◆
シリーズ「中国創業革命」
・【第2回】深圳発、モノ作りスタートアップの作り方――華強北のアクセラレーター「HAX」の挑戦
・【第3回】杭州、浙江大学人脈にアリババが加勢――「夢想小鎮」に「大衆創業」で800社集結
・【第4回】国際都市上海、スタートアップも国際的――チャイナクセラレーター、Xノードなど育成競う
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