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朝鮮半島リポート (第13回)

北朝鮮の経済改革の方向に変化の兆し

制裁「正面突破」掲げ、強まる統制色

朝鮮半島経済研究会
   

2020/01/14

 非核化をめぐる米朝の駆け引きが続く中、北朝鮮が年をまたいで政策転換の構えを見せている。金正恩委員長は昨年末の朝鮮労働党の会議で核実験や米本土を射程に収める大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射の再開を示唆するとともに、経済改革や経済運営でも軌道修正を示唆した。金正恩時代になってからの北朝鮮は市場を活用する姿勢も見られたが、トップの発言からは制裁の難関を「正面突破」するため、国による統制を強化する方向性がうかがえる。

【第13回のポイント】

① 北朝鮮は昨年末に開いた労働党の中央委員会総会で、難関を「正面突破」する新路線を打ち出した。核実験やICBM発射の再開可能性に関心が集まったが、会議の結果は金正恩政権が進めてきた経済改革の先行を示唆する内容にもなっている。

② 金正恩委員長は内閣の統一的な指導の下、国営の社会主義商業システムの復元、基幹産業である重化学工業のてこ入れ、自立経済を支える農業の振興などに力を入れる考えを示した。

③ 金正恩委員長の発言からは、今後の方向性は「市場化」や「開放」ではなく、国際社会からの制裁の長期化を覚悟し、経済運営に関する国家統制をより強化する方向性がうかがえる。

④経経済改革の方向性をめぐっては、金正日時代に振れがみられた。非核化などの安全保障問題とからんで中長期的にどのような方向に向かうのか注目される。

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