ユニコーンの世界で米中以外の「その他」の国の比率が上昇している。ユニコーン数の激増、評価額の「巨大化」とメガコーンの増加に続く新しいトレンドが、「その他」の台頭による地域分散の加速である。その背景にはデジタル技術によって金融サービスを変革するフィンテック系企業の興隆がある。さらに国境に縛られないブロックチェーン(分散型台帳)や仮想通貨関連のスタートアップにもベンチャーキャピタル(VC)が積極的に投資し始めていることも地域分散を後押ししている。
【ポイント】
- ユニコーンの世界で米中以外の「その他」の国の比率が上昇している。米中は依然として2大勢力だが、中国の勢いがやや衰えて、インド、カナダ、シンガポールなどの存在感が増している。新たに16カ国からユニコーンが誕生するなど地域分散化の傾向が強まっている。
- 地域分散化を牽引しているのが、テクノロジーで金融サービスを効率化するフィンテック系企業だ。スウェーデンのクラーナに代表される後払い決済サービス、英レボリュートなどの新興ネット銀行といったフィンテック企業が様々な国で生まれている。
- 仮想通貨、ブロックチェーン(分散型台帳)関係のユニコーンも地域分散を後押ししている。国境に比較的とらわれないブロックチェーン関係企業は小国に本社を置くケースも多い。カナダのダッパー・ラボズなどのようにデジタルコンテンツを「非代替性トークン(NFT)」としてビジネス化する事例も出てきている。
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