フィンテック産業のなかで、スタートアップの数が最も多いのが融資分野だ。原則として店舗を持たないで、インターネットを通じてサービスを手がけるのが特徴だ。市場規模は30兆円を超え、その8割は匿名の人同士を結び付ける個人間(P2P)融資。世界最大の市場を持つのは中国で、その他のアジア諸国でも金融当局による適法との判断が追い風となり、拡大期に入りつつある。
もっとも中国では登録制の導入で企業の淘汰が本格化するなど、曲がり角を迎えている。今後、景気減速などで貸し倒れ案件が続出すれば金融システムへの打撃は避けがたく、先行きは波乱含みだ。(本レポートは「勃興アジア・フィンテック」[3回シリーズ] の第2回)

【(中)のポイント】
- フィンテックで決済に並んで勢いがあるのが融資分野だ。インターネットを使い、匿名の人を結び付ける個人間(P2P)融資が主流となっている。
- P2P融資で世界一の市場となっているのは中国。東南アジアではインドネシアで参入企業数が急拡大している。
- 順調に拡大するデジタル決済と違い、P2P融資は波乱含みだ。中国では16年の登録制の導入後に倒産・閉鎖が相次ぎ、市場も失速している。今後、貸し倒れが続出すれば、金融システムへの悪影響も否めない。
◆関連レポート◆
シリーズ企画「勃興アジア・フィンテック」
・【上】決済サービス 中印、電子商取引が牽引―東南アジアは配車サービスから拡大へ
・【下】資産運用:広がるAIによる投資助言―香港、不動産やローン査定にも活用の動き
シリーズ企画「中国、AI、イノベーション」
・【上】中国、イノベーション先進国に―特許、論文数で米凌駕、北京中心にAI振興
・【中】北京、大学とVCが集積―創業ストリートなど出会いの場も充実
・【下】合肥、音声認識で「声谷」形成―科大訊飛と中国科技大が核に
シリーズ企画「送金ウォーズ」
・【上】成長続く国際送金市場―フィンテック企業参入で競争激化
・【下】ブロックチェーン送金が登場―フィリピン、世界の縮図に
バックナンバー
- 2026/05/01
-
中国上場企業、3期連続で最終減益 25年12月期
- 2026/04/15
-
ベトナム北部ハイフォン港の拡張急ピッチ
――輸出需要増で世界トップ10に浮上へ - 2026/04/08
-
タイの半導体戦略が本格始動
――初の国家プロジェクトで東南アのハブに - 2026/03/05
-
中国、26年の成長目標「4.5~5%」に引き下げ
- 2025/10/09
-
スタートアップ「冬の時代」からの脱却なるか
――インドネシアで社会課題解決型が台頭
