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中国・アジアウォッチ シリーズ企画「『ウェブ3.0』が拓く世界」 (中)

個人情報提供の報酬は利用者に

――コンセンシス創業者、ジョセフ・ルービン氏

宗像 藍子 (研究生)
   
上原 正詩
  アジア予測室長兼主任研究員

2019/10/31

コンセンシスの創業者ジョセフ・ルービン氏

 シリーズ企画「『ウェブ3.0』が拓く世界」の第2回は米コンセンシス(ConsenSys)の創業者ジョセフ・ルービン氏。ルービン氏はヴィタリック・ブテリン氏らとともにイーサリアム・プロジェクトを始めた創設メンバーの一人。イーサリアムの発行で莫大な富を築いた。私財を投じてコンセンシスを立ち上げ、イーサリアムで動く様々なアプリケーションソフトウェア「ダップス(DApps)」や開発支援ツールの開発などを手掛ける。イーサリアム財団がイーサリアム開発を手掛ける第三者に研究助成金などを交付しているのに対し、コンセンシスは社内でアプリ開発を推進する。事業として成り立ちそうな有望なプロジェクトは切り出して、必要ならば外部資金も入れて育成する「ベンチャースタジオ」だ。このほど日本法人イーサリアム・ジャパンを設立し、ブロックチェーンの専門家集団ハッシュハブ(東京・文京)とも業務提携するなど、日本でのプレゼンスも高めようとしている。

【(中)のポイント】

  1. テックジャイアントが構築した「ウェブ2.0」の世界はインターネットが持つ開放性を奪っている。ブロックチェーン技術(分散型台帳技術、DLT)はネットの世界で競争よりも協業を促す。利用者自体が自らの顧客情報の提供で報酬を得る仕組みを提供する。
  2. 世界の通貨システムは中央銀行の量的緩和政策を受けて終焉に向かいつつある。フェイスブックが主導するデジタル通貨構想「リブラ」はフェイスブックが推進しているが故に問題だが、新しい通貨制度を作る上で興味深い方法を提示した。
  3. コンセンシスは日本に法人を設立し、ブロックチェーンの専門家集団ハッシュハブ(東京・文京)とも業務提携した。アジアではシンガポールやフィリピンに続き日本でも企業向けにシステム構築支援事業を展開し、存在感を高めていきたい。