米国景気に関しては、昨年の夏場から秋にかけて二番底懸念がかなり喧伝された。その時点からみれば、本年以降の米国景気への予測は様変わりしており、楽観論が拡がっている。現に、軒並み予測機関の成長率見通しは引き上げられており、2011年、12年ともに3%前後の成長を見込む先が多くなっている。ただ日経センターでは、両年ともに3%の大台には乗らないと予測する。この3%という成長率はそう低いハードルではない。前回の景気回復局面では、立ち上がり局面でもたついた後、3年目に差し掛かる辺りから2年弱に亘って高い成長率が実現した。だが今回は、バランス・シート調整という重しを抱えている。前回並みに3〜4年目にかけて高成長が実現するのだろうか。米国景気の回復力は、この先こそ真価が問われることをまず理解して欲しい。 全文
■経済百葉箱 番外編 2018 (2018/7/3 発表) 「経済百葉箱」は当センター経済予測班による分析リポートです。このうち「番外編」は、新年度から研修を開始した企業・団体からの派遣研究生が、「第一弾」としてまとめたリポートです。 第174回改訂短期経済予測(SA174R、2018年6月8日公表)、第44回中期経済予測(2018年3月23日公表)を踏まえ、3班に分かれて、異なるシナリオを描きました。 短期担当の2班は、米国とその他主要国との貿易戦争を起点とした「景気低迷シナリオ」と、中国経済の「量」から「質」へのシフトが周辺国経済に好影響をもたらす「好景気シナリオ」を示しました。中期担当の班は、無形資産の活用による成長シナリオを示しました。 ![]() 短期予測@:「外需」を失い、日本経済は失速へ―米国発の貿易戦争が深刻化― 短期予測A:アジアの成長を取り込む日本経済―中国経済の「量から質への変革」に勝機― 中期予測@:無形資産拡充で生産性向上へ―中小企業を導く2つのチカラ― △このページのトップへ バックナンバー |