日本経済研究センター経済予測班では、経済予測・分析の中で見えたトピックスに焦点を絞ったリポート、「経済百葉箱」を創刊します。経済はしばしば気象にたとえられますが、「百葉箱」はご存知のように、気温や湿度を正確に測定するための箱であり、「観測」の原点となる存在です。本リポートは随時掲載します。
▼ポイント▼●2014年央以降の原油価格の下落は世界経済に好影響を与えることが当初期待されたが、足元の世界経済は力強さを欠くなど、その影響は期待外れのようにみえる。●時系列モデルによる分析の結果、14年以降はシェール革命に伴う供給要因が原油価格の下押しに寄与する一方、15年後半からは新興国経済の減速による原油需要の減少が原油価格の押し下げに寄与していることがわかった。こうした正の「供給ショック」と負の「需要ショック」が同時に発生していた結果、原油安による景気押し上げ効果は予想よりも限定的であったと考えられる。●先頃石油輸出国機構(OPEC)で8年ぶりに減産が合意されたが、原油価格の先行きは不確実性が高い。原油輸入国は省エネ技術の推進、産油国は国内産業の多様化・高度化を進めることで、原油価格の変動に左右されにくい経済モデルを築く努力が必要だ。