日本経済研究センター経済予測班では、経済予測・分析の中で見えたトピックスに焦点を絞ったリポート、「経済百葉箱」を創刊します。経済はしばしば気象にたとえられますが、「百葉箱」はご存知のように、気温や湿度を正確に測定するための箱であり、「観測」の原点となる存在です。本リポートは随時掲載します。
▼ ポイント ▼●人手不足が続く中、パートタイム労働者の時間当たり賃金は伸びる一方、労働時間は減少傾向にある。●パートタイム労働者の労働時間減少の背景に、税制・社会保険制度による「壁」が挙げられる。配偶者の給与収入が一定額を超えると、税や社会保険料の負担が新たに発生する。世帯の手取り収入が減少するケースもあり、パートタイム労働者の就業調整を促す要因となっている。●2017年度税制改正では、配偶者控除・配偶者特別控除の上限引き上げが盛り込まれた。この改正により、「103万円の壁」を意識していたパートタイム労働者は一定程度労働時間を増やす可能性がある。しかし、制度的な要因による「壁」は引き続き残る。人手不足の解消だけでなく、働き方や家族形態の多様化に対応する観点からも、労働意欲を阻害せず働き方に中立的な制度設計が求められている。