日本経済研究センター経済予測班では、経済予測・分析の中で見えたトピックスに焦点を絞ったリポート、「経済百葉箱」を創刊します。経済はしばしば気象にたとえられますが、「百葉箱」はご存知のように、気温や湿度を正確に測定するための箱であり、「観測」の原点となる存在です。本リポートは随時掲載します。
▼ ポイント ▼●一般に、企業活動を取り巻く「不確実性」が高まると、企業は設備投資を先送りする。特に、機械設備などの不可逆性の高い投資ほど、「不確実性」を考慮した意思決定がなされる傾向にある。●定量分析の結果、製造業・非製造業の設備投資は、いずれも「不確実性」の高まりによる影響を受けることが分かった。また、「不確実性」の高まりは、非製造業の設備投資には比較的即座に影響を及ぼす一方、機械設備や工場といった不可逆性の高い案件を多く抱える製造業の設備投資には半年から1年程度のラグを伴うことが明らかとなった。●企業の設備投資に関する判断や予測の上では、国内外の「不確実性」が業種ごとの設備投資に与える影響を織り込んでいくことが重要だ。また、先行きを巡る不透明感が高まる中で企業の前向きな設備投資を引き出すには、政策に関する予見可能性を高めるとともに、成長戦略に取り組むことで、中長期で見た日本経済の期待成長率を引き上げる努力が欠かせない。