日本経済研究センター経済予測班では、経済予測・分析の中で見えたトピックスに焦点を絞ったリポート、「経済百葉箱」を創刊します。経済はしばしば気象にたとえられますが、「百葉箱」はご存知のように、気温や湿度を正確に測定するための箱であり、「観測」の原点となる存在です。本リポートは随時掲載します。
▼ ポイント ▼●欧州では、大手銀行の経営不安から金融危機再燃のリスクが取り沙汰されている。2015年決算で過去最大の赤字に陥ったドイツ銀行や巨額の不良債権処理の行方が懸念されるモンテパスキ銀行(伊)がその代表例だ。●ただし、世界金融危機以降の金融規制の強化や、欧州債務危機以降、様々な金融システム安定化策が整備されたことで、欧州における銀行破綻が新たな金融危機に発展する可能性は低下している。●他方で、新たな危機は回避できても、当面は反EUを巡る政治不安、やや長い目では銀行の低収益性や巨額の不良債権などの構造問題が解消されず、融資手控えが欧州経済の成長の足かせとなるリスクに留意が必要だ。