日本経済研究センター経済予測班では、経済予測・分析の中で見えたトピックスに焦点を絞ったリポート、「経済百葉箱」を創刊します。経済はしばしば気象にたとえられますが、「百葉箱」はご存知のように、気温や湿度を正確に測定するための箱であり、「観測」の原点となる存在です。本リポートは随時掲載します。
▼ ポイント ▼●中国では、投資・製造業主導から消費・サービス業主導の成長モデルへのリバランスのほか、生産技術のキャッチアップを受けて部品・中間財の内製化が進んでいる。●成長モデルのリバランスに伴う投資の減速や内製化の進展は、中国と貿易面で深い結びつきをもつアジア諸国・地域(アジア新興工業経済群(NIES)・東南アジア諸国連合(ASEAN)・日本)の輸出に下押し圧力となる。グローバルバリューチェーンを考慮した時系列モデルの分析からも、日本の対中輸出は中国と米国の生産動向に大きく左右されるとの結果が得られた。●他方で、リバランスの過程で中国の消費が堅調に推移している点は、自動車販売の拡大や中国人観光客の増加といった形で、わが国を含むアジア諸国に恩恵をもたらしている。●中国経済のリバランスがアジア諸国へ及ぼす影響については、投資の減速によるアジア諸国の中国向け輸出への下押しを過度に悲観するだけでなく、消費増加に伴う正の側面も併せて、総合的に評価していくことが重要だ。