日本経済研究センター経済予測班では、経済予測・分析の中で見えたトピックスに焦点を絞ったリポート、「経済百葉箱」を創刊します。経済はしばしば気象にたとえられますが、「百葉箱」はご存知のように、気温や湿度を正確に測定するための箱であり、「観測」の原点となる存在です。本リポートは随時掲載します。
2014年4月からの消費税率引き上げを柱とする法案の可決を受け、第151回四半期経済予測(SA151)では、増税前の駆け込み需要の大きさをあらためて子細に検討した。1997年4月の税率引き上げによる消費、住宅への影響を再推計した上で、今回と当時で異なる様々な要因を勘案し、13年度の駆け込み需要による成長率への影響を試算する。▼ ポイント ▼●97年4月の消費税率引き上げ時の駆け込み需要について、改めて関数推計により検証したところ、96年度、個人消費は税率が引き上げられる2四半期前から耐久消費財、半耐久消費財を中心に駆け込みが発生し、実質民間最終消費支出を0.7%ポイント程度押し上げた。住宅投資に関しては、3四半期前から「持家」と「貸家」を中心に駆け込みが発生し、実質民間住宅投資を6.8%ポイント程度押し上げた。この結果、個人消費と住宅投資で、96年度実質GDPを0.7%ポイント程度押し上げた計算になる。●前回との相違点として、個人消費では「家電エコポイント」や「エコカー補助金」、住宅投資では「フラット35S 」や「住宅エコポイント」といった政策による需要の先食いが発生している点や、消費税率引き上げが2度にわたって実施される点を考慮すべきである。すなわち、今回の引き上げ幅5%は前回2%の2.5倍だが、単純に駆け込みも2.5倍と考えるのは早計である。●こうした点やヒアリング情報等を総合的に勘案した結果、今回の消費税率引き上げによる駆け込みは、13年度の実質民間最終消費支出を0.8%ポイント程度、実質民間住宅投資を7.9%ポイント程度それぞれ押し上げると考えられる。この結果、個人消費と住宅投資で13年度実質GDPを0.7%ポイント押し上げる見通し。.