日本経済研究センター経済予測班では、経済予測・分析の中で見えたトピックスに焦点を絞ったリポート、「経済百葉箱」を創刊します。経済はしばしば気象にたとえられますが、「百葉箱」はご存知のように、気温や湿度を正確に測定するための箱であり、「観測」の原点となる存在です。本リポートは随時掲載します。
▼ポイント▼●大幅な円安でも日本の輸出は伸び悩んでいる。背景には世界経済減速に加えて、貿易構造の変化が重荷となっており、中期的にも輸出を取り巻く環境は厳しい。●貿易構造の変化による輸出押し下げ要因として、@円安でも日本企業が輸出価格を引き下げないこと、A世界的な固定資産投資の低迷による資本財輸出の不振、中国の産業の高度化による中間財輸出の縮小、B日本企業の海外現地生産化−の3つがある。●ただし、環太平洋経済連携協定(TPP)をはじめとした経済圏の拡大政策で、これまでの自由貿易協定(FTA)の遅れを挽回できる可能性がある。