日本経済研究センター経済予測班では、経済予測・分析の中で見えたトピックスに焦点を絞ったリポート、「経済百葉箱」を創刊します。経済はしばしば気象にたとえられますが、「百葉箱」はご存知のように、気温や湿度を正確に測定するための箱であり、「観測」の原点となる存在です。本リポートは随時掲載します。
▼ポイント▼●日本の開業率・廃業率は先進諸国に比して低い。一方で特に中小企業の欠損(赤字)法人が多くなっているのは、赤字体質でも資金支援を得られてしまう日本の金融環境が一因と考えられる。●リーマン・ショックに伴う手厚い金融支援は、平時に戻って以降も温存されている。所有と経営が一体化した中小企業の業務改善を促すには、企業の借り入れ(デット)の貸し手である金融機関が借り手企業の経営を監視する「デットガバナンス」が欠かせないが、十分に機能していない。●2015年から進行中の信用保証制度改革はデットガバナンス強化の第一歩となり得る。具体的な設計としては、金融機関が制度を適切に利用するインセンティブを組み込んだ仕組みが考えられる。